フォートレス・Iグループ、常磐興産株のTOB実施
- 2024.09.12 お知らせ
スパリゾートハワイアンズGコース(福島県)等運営
第1回令和6年10月24日まで、常磐興産はTOBに賛同表明
フォートレスはホテル・ゴルフ場部門での事業拡大も
スパリゾートハワイアンズを運営する常磐興産㈱は令和6年9月9日、米投資ファンドのフォートレス・インベストメント・グループから同興産普通株式の公開買い付け(TOB)表明を受け、賛同の意見を表明するとともに株主に対して第一回公開買付への応募を推奨すると発表した。
東証スタンダードに上場している常磐興産は、同日午前に日経新聞電子版の一報が流れると前日終値から300円高の1540円でストップ高となった。
公開買付者はフォートレス・インベストメント・グループのOntario合同会社。第一回公開買付は普通株式1株につき1650円、期間は9月10日から10月24日まで。第2回は第1回の決済完了日後となり、価格は1株1240円。常磐開発やみずほ銀行など計15.99%を保有する一部株主は第2回への応募に合意している。買収総額は第1回121億円、第2回17億円合わせ約140億円という。買収後に常磐興産は上場廃止とする方針。
常磐興産によれば、フォートレス側からは令和5年6月に打診があった。フォートレスでは傘下にホテルやリゾートゴルフ場運営会社があり、基本的には現在の名称のハワイアンズのブランドを残す方針。取締役など詳細は未定ながら代表取締役社長ら経営陣は続投の見込みという。
フォートレスは令和6年6月末時点で運用資産額が490憶ドル(約7兆188億円)にのぼるグローバルな投資運用会社。日本国内では傘下に国内4位の客室数を持つマイステイズ・ホテル・マネジメントや宮崎市の「フニックス・シーガイヤ・リゾート」の開発・運営を行うフェニックスリゾート㈱も令和6年5月末にグループの傘下としている。全国172コースを保有するアコーディア・ゴルフも有しており、ホテル及びゴルフを含む観光分野での更なる事業拡大を目指しているという。ゴルフ場運営は㈱アコーディア・ゴルフに委託することも表明されており、小名浜オーシャンH&GC(いわき市泉町)等との相乗効果も期待できそうだ。その他、国内の大型投資案件としては令和5年、㈱そごう・西武への投資がある。ちなみに、フォートレスは2017年12月にソフトバンクグループ㈱の連結子会社となったが、令和6年5月にアラブ首長国連邦の政府系ファンド、ムバラダ・キャピタルの子会社となっている。
常磐産業が運営するスパリゾートハワイアンズ・ゴルフコースは1977年にいわき湯本CCのコース名でオープン。1989年に近くの常磐ハワイアンセンター(90年にスパリゾートハワイアンズに名称変更)を運営する常磐興産㈱が営業権を取得し、91年には土地を含む全施設を完全取得したのに伴いクレストヒルズGCに名称変更。2016年に現名称に変更して当時45万円で会員募集も実施した。
スパリゾートハワイアンズは映画のフラガールでも知られる温浴リゾート施設。都心からの大型バス送迎も行っており、一昨年にはゴルフ場用地内でグランピング施設「マウナヴィレッジ」をオープンした。
常磐興産はコロナ禍で一旦業績が落ち込んだが2024年3月期は売上高148.81億円、営業利益では12億2300万円で過去最高を計上するなど回復。25年第1四半期の施設入場者は21万人、宿泊者は82千人と増勢を維持し、通期業績予想も今回上方修正した。ゴルフ場は令和5年9月の豪雨被害により18ホールで営業し、利用人員は7千人で、営業休止中の中コースは令和6年中の復旧を目指しているという。
スパリゾートハワイアンズ・ゴルフコース
つばさHPへ⇒https://www.tsubasagolf.jp/course/course625536b98edef/