センチュリー・シガ・ゴルフクラブ(滋賀県)特別清算開始申請
- 2023.06.12
㈱センチュリー、6月1日大津地裁に、負債約55億円
2002年に再生計画成立も預託金返還等の資金難で
センチュリー・シガ・ゴルフクラブを経営する㈱センチュリーは令和5年6月1日、大津地裁へ特別清算の開始を申請した。申請代理人は東畠弁護士ほか4名となっている。
第一報を報じた帝国データバンクによると、同社は1972年5月設立の元・ゴルフ場経営業者。京都財界向けを中心として開場したセンチュリー・シガ・ゴルフクラブの経営を手がけ、当時名門のゴルフ場として知名度を獲得していた。ただ2001年4月22日に会員預託金の返還要求の高まりに対処できずに民事再生法の適用を申請、2002年7月10日に大津地裁より再生計画の認可決定を受けていた。(2005年7月19日に再生手続終結)
その後はGPSナビの導入でのセルフプレーニーズへの対応なども行い、19年3月期には年収入高約4億1000万円を計上していたという。
しかし、再生計画に基づき退会会員への毎年の弁済を12年以上行って来たものの、近隣のゴルフ場との競合や利用者数減などで多くの退会者への対応は出来なくなっていたという。またクラブハウスやカート道、ボイラーなどの設備老化により、大規模修繕の実施および設備更新に多額の資金を必要としていたが、収益性改善が進まないなか、自己資金での費用捻出が困難なため、23年5月31日の株主総会の決議により解散、今回の措置となった。
ゴルフ場によると、現状は裁判所の許可を受けて㈱センチュリーにて営業を続けており、今後は特別清算手続きの中で、ゴルフ場事業を会社分割にて新会社(リクレスト㈱を設立予定)に継承し、会員には預託金や入会金の負担なくプレー権を確保し、ゴルフ場運営を続けていく方針。新会社は京都のスポンサー会社が支援する予定。現地運営のスタッフなどはそのまま継承される見込みとなっている。
負債は会員約800名の預託金約43億円を含め約55億円が見込まれている。令和5年6月24日にピアザ淡海ピアザホールにて債権者説明会を開く予定。
同GCはは、令和4年11月1日から令和5年6月30日までの予定で名義書換を停止すると案内していた。
ちなみに2002年6月に成立した民事再生計画は同年10月の段階で預託金債権97%カットで、3%を分割返済、存続会員は預託金20%カットで10年据置となり、令和12年4月1日以降は毎年3000万円を上限に抽選返還となっていた。