㈱エイチ・ジェイ、仙台空港カントリークラブ(宮城県)の会員説明会が開催された

  • 2023.05.26

 5月17日、㈱エイチ・ジェイが仙台空港カントリークラブ(宮城県)の更生手続申立経緯を説明

 復職した支配人のもと混乱と、会員に賛同求める—

 仙台空港カントリークラブの経営を巡り、㈱仙台空港カントリークラブ(以下SKCCと略)の会社更生手続開始を東京地裁へ債権者申立てを行った㈱エイチ・ジェイ(以下HJと略)が令和5年5月17日に名取市文化会館で会員説明会を行った。

 HJ側からは岡本代表やSKCCの代表を務めていた渡邊氏、それに申請代理人側から西村弁護士他が出席して説明した。

 HJの岡本代表の説明では、今年2月に㈱WOコンサルティングがゴルフ場に乗り込んできて、会社が乗っ取られたことが判明。昨年12月27日付けでSKCCは役員人事が行われ代表者交代の登記がなされ、HJ側の役員は解任されたことがわかったという。しかも、新支配人はSKCCの元支配人で、かつてパワハラで問題を起こした経緯があり、復職後も現場が混乱していることや、早朝プレーなど会員を無視した集客優先の姿勢が見られると問題点を指摘。HKCCとしてはこれらを問題視して会員債権者25名とともにSKCCの会社更生適用開始を申し立てたと説明した。

 HJグループが経営する千葉夷隅ゴルフクラブ(千葉県)では、6月15日~18日に韓国プロゴルフ協会との共催で行う「ハナ銀行インビテーショナル」を開催。SKCCの会員には無料観戦チケットを進呈するほか、アメリカでHJグループが運営するPGAウエストなどのコースもプレーしていただきたいと案内した。また千葉夷隅ゴルフクラブは新種のベント芝を選定する作業に入っていることも報告した。

 そしてHJがスポンサーに選ばれるよう賛同をいただきたいと会員に呼び掛けた。

 申請代理人弁護士からは、①会員の債権が過半数なので、半数以上の賛同を集めるのが目安、②ゴルフ場経営実績のあるHJのスポンサーへの賛同、③現体制役員の退場に賛同—–を会員にお願いし、結果を東京地裁に選任された調査委員に伝えたいと説明した。ゴルフ場の倒産・再生案件に多数経験を持つ西村弁護士は、太平洋クラブの時には会員の賛同で現在のマルハングループをスポンサーにできた実績があり、裁判所も会員の移行を汲んでくれると説明した。

 Q&Aでは、新体制側の会社乗っ取りを裁判で争うこともできるのではないかとの質問も出たが、「殴り合いの喧嘩をするわけにはいかない」、株主の譲渡や役員選任は代表取締役が了承すれば認められるなどとして、手続きが適用されると管財人が選任される更生手続きを選択したと説明した。また新体制の支配人が旧体制の役員を批判する文書も会員に出たようで、どちらを信用すれば良いのかという質問も出たが、その文書で指摘された内容は、グループゴルフ場での運用のやり取りであり、同支配人自身が絡んだ件もあるなど訴求される問題のないことと説明した。

 いずれにしても、HJ側では、調査委員が会員側の意見を聞き、ゴルフ場現場の従業員などから意見などを聞き実態がわかれば、更生手続きの開始決定に繋がると見込んでいるようだ。